いつも下駄箱を開けるのは憂鬱だった。開けた瞬間に自分の靴が見えたことが無いからだ。下駄箱の中には、沢山の手紙。それは一種の嫌がらせに近いものを感じるほどで。日本のことが無知だった俺は宛名も書かれていない手紙の数々は果たし状か何かだと思っていた。それくらい、嫌悪に近い感情を感じていたのだ。

 「チッ」

 そして今日もそれは然り。今日は10代目と一緒に登校ってことで俺の気分も結構上がっていたと言うのに、開けた瞬間一気に下降ってもんだ。眉間に皺が寄るほどに顔が歪んだのが自分でもわかったけど直す気もねえ。そうすりゃ呼んでもねぇのに一緒に登校してきた山本がおお!と大声を出した。顔をそっちに向ければすげぇなあって感心してる山本の暢気な顔が見えて、更にイラついた。

 「ああ?」

 自ずと低くなる声で睨み付けるが、そんなん山本には通用しないことはもう十分わかっていた。こえ!と言うもののそんなんは口だけに過ぎない。証拠に、口元は軽く上がっている。ムカムカしていくのがわかって懐のダイナマイトに触れようとしたとき、隣から声がかかった。

 「でも、獄寺くんって凄いよね、本当」

 その声は10代目のお声で。慌てて手を出して10代目の方を見れば、俺の下駄箱をしげしげと見つめるお姿があった。じゅ、10代目に尊敬されてる!?それだけでなんだかさっきの怒りは沈下していく気がした。そ、そんなことねえっすよ!と声を張り上げればちょっとだけ吃驚した顔で俺を見る10代目。

 「俺は、俺は…10代目の方がすげぇと思います!」
 「えぇ!そんな俺は、全然凄くなんか!」

 謙遜する10代目はそこいらのファミリーよりも素晴らしい方だと思った。本当にこの人の右腕でよかった!と。そう喜びを噛み締めているときだ。後頭部に鈍い痛みが走ったのは。バンっと言う音と共に無防備だった俺の頭が前へとつんのめった。危うく下駄箱にぶつかりかけるところで何とか踏みとどまれた俺は凄いと思った。でもそんなことはっきり言って今はどうでも良い。今にも血管がブチキレそうだ。さっきの山本のときよりも酷く歪ませた顔のまま後ろを振り向く。こんなことする奴は俺の周りに一人しか居ないことはわかっている。そして振り向いた先にいたのは俺の予想通りの人物がにこにこしながら立っていた。両手で鞄を持っていることからきっと俺の頭を殴った凶器は鞄に決定だろう。さっきの痛みからして、辞書が1,2冊は入ってると見た。

 「…っにすんだ!クソアマ!」
 「あはは、獄寺おはよ!」
 「おはよ、じゃねえよ」
 「何よぅ、アレくらい避けられなきゃ男じゃないよ?」

 あははと笑みを絶やさずに俺の神経を逆撫でさせるコイツの名前は。何かと絡んでくるコイツはある意味山本よりも厄介だ。いつも笑顔でそれ以外の感情があるのかって感じで(いや怒った素振りとかするけど大半が笑顔ってことだ)、どこか掴めない。けど本心が何処にあるのかわからないような危ない奴って感じじゃなくて、言うなれば何も考えてないような奴。悩みってあんのか?ってくらいの楽天的で、強いて言うなら悩みが無いことが悩みだというような奴だ。
 は何が楽しいのかもわからねえのに、やっぱり笑顔だった。それから至極何もなかったかのように10代目と山本に挨拶をして。

 「ほら、獄寺行くよー!いつまでもそこにいるなら置いてっちゃうからねー」
 「うっせ!てかお前が10代目の隣歩くな!」

 いつの間にか10代目の横をキープしているの腕を引っ張る。ちなみに10代目の反対側には山本がいる状況だ。それなら山本をどかして10代目の横を奪い取ればいい話なんだが。…何故なのかと言われたらはっきりとした答えは出てこない。きっとファミリーじゃないからだとか、だと俺自身では思っているけれど、それも定かじゃない(そもそもコイツのことでそんな労力を使いたくない)
 ぐいっと腕を引っ張ったが、それでも頑なに避けようとしない。むう、と怒ってますと言ったような顔を俺に向けたかと思うと、10代目の方を向いて、やっぱり笑顔で問いかける。

 「ええ、良いじゃん!いいよね、沢田くん?」
 「え、あ、う、うん」

 それから「ほら、良いってさー」と笑って、また俺を見た。にこにこっとあたかも最初から10代目の隣に居ました的な笑顔にむかっとしたけれど、10代目のお許しが出たからには何も言うことは出来ない。

 「10代目はな優しいんだよ!」

 はんっと今まで掴んでいたの腕を放すと痛かったーなんて言いながら笑っている。…その表情は全然痛そうなんかに感じられなくて。チクショウ、やっぱりコイツ苦手だ。と思った。…やっぱりどことなく山本に似てやがるんだ。俺はイライラしながら結局10代目の隣になれなかったので仕方なしにの横を歩いていた。
 そして歩きながらそういえば、と手のひらに握られていた手紙を思い出した。沢山の手紙をうんざりしたように鞄の中に仕舞い込めば(さすがに捨てるのは気が引ける)それを見ていたのかが口を開いた。

 「今日も凄いね…全部ラブレターだよね?いつもいつも新しいラブレター来るなんて凄いねえ、獄寺って」

 感心したような物言いでほわーなんて声を出したかと思うと、視線はもう俺の鞄に釘付けだった。俺は俺自身を褒められてないことに多少の引っ掛かりを感じながら、とりあえずからの問いかけに答えることにして(じゃねえとうるせえ)でも出た言葉はやっぱり簡潔なものだ。

 「ああ?さあな」
 「さあなって?いつもラブレターなんでしょ?」
 「知らね」
 「知らねって?」

 続いていく会話に何の気なしに答えていると一々オーバーなリアクションで返してくるに呆れながらも俺はタバコを取り出して吸い始めた。を見れば信じられないといったような表情を浮かべている。だって仕方ねえだろうが。読んでないんだから。…初めのうちは全部読んでいたが、読めば読むほど同じような台詞ばかりで飽き飽きしてきた。大体、知りもしない女に好きだ、付き合ってと言われても俺としてはワケがわからないわけで。手紙の女どもは一体俺のどこをみて好きだと言ってるのか皆目検討もつかねえ。そう言うようなことを言えば、は明らかに困ったような顔をした。

 「罪な男だねえー」
 「…しばくぞ、テメェ…」
 「か弱い女の子に手を上げないでくださーい!」
 「何処がか弱いんだか…大体にしてな、こんな手紙で思いを伝えるってこと自体本気じゃねえに決まってんだ。本気なら正々堂々と言ってくるのが筋ってもんだろうが」

 と言っては見たものの、実際問題会って言われても俺の返事はNO以外選択肢はないんだが。だって今の俺には女なんか必要ないし、ボンゴレファミリーの一員として、そして10代目の右腕として!尽くすことだけが俺の目標であり存在意義なのだから。女になんかうつつを抜かしてる場合じゃねえわけだ。俺はどっかのナンパ師とは違う。
 ふん、と鼻を鳴らせば、が小さく声を出した。いつもなら聞き流しているだろうくらいの小さな小さな声。それでもそれが気になってしまったのはいつものらしくない声色だったからに違いない。は?とを見れば、さっきまでの笑顔とは違う、何処か沈んだような表情。

 「皆が皆獄寺みたいな人じゃないんだよ。…恋をすると、怖くなったり、臆病になったりするもの、なんだよ。…あたしはわかるけどな、その手紙の女の子達の気持ち」
 「?」

 ぽつぽつと紡ぎだされる言葉達に呆気を取られて、言い終わった後、俺の口から出たのはそいつの名前だけだった。訝しげに見れば、はっと気づいたのかの表情が変わった。またいつもの笑顔に戻る。

 「なーんてね!でも、中には本気の子とかいるかもですよ?だからまあ、見て上げなよー、ね?」
 「わーったよ」
 「そうそう!ちゃんと見なね?」

 あはは、と笑いながらまた鞄で俺の背中を叩いた。それがまた物凄く痛くて、思わず声を上げればまたくすくすと笑う。まるでさっきまでのはいなかったみたいな態度だったから。…だから、すぐに忘れることにした。

 「痛ってーな!クソアマ!」
 「あはは、ほらほら行くよー獄寺!」

 だから、気づけなかったんだ。わかろうとも、しなかったんだ。






 そして、放課後のことだった。また憂鬱な時間。朝ほどじゃないにせよ、いくつかの手紙が入ってることが多いそこ。んでもって帰りって言えばどこぞのクラスが調理実習でもしようものなら食べ物が入ってたりする。つか、大体にして食べ物をこんなとこ入れるのってどうかと思ったりするわけだが。…と、話が反れた。
 とにかく、ある意味覚悟を決めて、ぐっと下駄箱を勢い良く開け放った。けど、いつもみたいに重ねられた手紙はなく。あったのは一枚の、ラベンダー色した封筒が、俺の靴の上にちょこんと鎮座しているだけだった。

 「ああ?」

 見慣れない手紙、けれども見慣れた文字が形良く封筒の中央に並べられているそれを手に取った。だけど見慣れている、と言っても、誰の字だったか思い出せない。裏を返して名前を確認するが、あて先不明。またかよ、と内心うんざりした。手紙の中でも一番多いのがこれだ。名前なし。気持ちを伝えるんだから一緒に名前も書けよ!と文句を言いたくなるくらいだ。もしこれがテストだったなら0点になってるんだぞ!?とワケのわからない怒りが俺の堪忍袋の緒を刺激する。
 だから、たとえ見慣れた字であっても、見る気が失せてしまって。俺はそれを乱暴に鞄の中に突っ込むことしかしなかった。後で見ればいい。どうせたいしたことじゃない。そう思った。
 にしてもこの不機嫌な気持ちはどうすりゃ良いんだ…!と考えたところで、そうだ、今日は10代目の家に行こうと思い立って。(機嫌が悪いときには10代目のところに行くに限る)10代目の家に急いだ。



 ● ● ● ● 



 そして、次の日の朝のこと。いつものように下駄箱を開ければいつも以上の手紙が俺を待ち構えていた。いい加減切れそうになって。いっそのこと、爆破させちまうか…?なんて俺の脳裏に過ぎったほどだ。そう、下駄箱さえなくなれば手紙なんか入ってこねえ!そうすりゃ俺のこの不快な思いもなくなるはずだ。そう思ったところで、また山本の能天気な声が届いた。ああちくしょう、イライラする。

 「カリカリすんなって」
 「うるせえんだよ」

 と、山本のほうを見たときだ。の姿を捉えたのは。あっちも少し遅れて俺に気づいたようだ。ああ、いつものが来る!と思って身構えた俺。けどもいつもの挨拶(鞄で叩いたりとかまあ色々)はなかった。ただいつもとはちょっと控えめな笑顔が向けられて「おはよー」と声を出すだけだった。そんなに山本と10代目はいつもと変わりない挨拶を返すが、違和感に気づいた俺は挨拶することが出来なくて。ただを見つめた。そうすればまた目がバチっと合うのがわかった。そんでやっぱり俺はいつもの条件反射で身構えるけど、アイツにそんな気はないのか何も言うことなくスタスタと俺の前を通り過ぎていった。…いつもなら、挨拶くらい返せだのなんだの口うるさく言うくせに。…何だって言うんだ。
 釈然としない思いが俺の胸の内に広がったけれど、そんなの10代目の行こうという言葉で一気に無くなった。
 どうせ、すぐ笑いながら話しかけてくるんだろう、と軽く考えていたからなのかもしれない。どうせ、どうせって。

 けど、そんなの俺の思い上がりに過ぎなかった。教室に入った後も、1時間目が終わった後も、昼休憩の時間も、は一向に話しかけてこなかった。それどころか、目すらも合うことがない。…こんなに話をしないときなんか、俺の転校初日以来だと、ふと思った。そう言えばはいつも俺らの近くにいた気がする。そう思うと何だかまたムカムカしてきて…、俺は半ばキレながら屋上へと向かっていた。…イラつきすぎて授業なんか受けてられるかってんだ。
 なんで、こんなにもイライラするのか、わからなかったけど、とにかく、イライラした。



 放課後になってもそのイライラは解消されなかった。きっとこの怒りは解決出来ないことには収まらない。そう思った俺はSHRが終わる頃を見計らって教室の前まで戻ってきた。…後はを待つだけだ。
 シンと静まっていた教室がだんだんと騒がしくなったのがわかった。きっと終わったんだろうことがわかって、開いたドアからが出るのを待つ。そうすればアイツは中に向かってじゃあねと手を振って出てきた。顔を見れば笑顔。いつもの表情だ。やっぱり朝のは俺の見間違いか?なんて思いながらとりあえず人の群れを掻き分けるようにの姿を追った。
 生徒玄関にたどり着いたときにようやくとの距離が近づいて、靴を履き終えたの肩をガッと掴んだ。そうすれば、ビクっと反応して、恐る恐る俺のほうを振り向く。…そして振り返ったときのその表情が更に強張ったのが、わかった。

 「獄、寺」
 「よお」

 いつもなら、ここで笑顔に変わるはずの表情は依然強張ったままだ。んでもって、いつもと違って声の張りがないことや、キレが悪いことにも気づいた。とりあえず挨拶をしたけれど、の表情は硬く、何…と小さく落とすだけだった。

 「ちょっと良いか?」

 怯えている風にも取れる態度に気づかなかったわけじゃねぇけど、引き返すわけにも行かないわけだったから、とりあえずの肩からは手を放さないまま、開いているほうの手の親指でくいっと後ろを指した。次の瞬間にの表情が初めて歪んだのが解った。いつもとは違う、初めて見る本当の怒りの表情。

 「…あたしは、話すことなんか、ない!」
 「何怒ってんだよ」
 「…っ!わかんないの?」
 「だから、何が」

 尋常じゃないに少し戸惑いながら、全くの気持ちがわからない。結局はそのこともかねて話を聞くしかねえだろうと思って、半ば強引にの肩を引っ張った。とにかく来いって、と言いながら引っ張ってる俺はきっと周りから見たら、虐めっ子みたいな感じだったんだろうか。どんどん周りの奴らが遠巻きになっていくのがわかった。けど、そんなことどうでも良くて。目の前のコイツの意見を聞くことしか頭になかった。

 「おい?」
 「…っ…放して!嫌だ!」
 「って、お、おい!」

 けど、掴んでいた肩はの鞄攻撃でいとも容易く離れる結果となった。いつもに増して酷く強い威力のそれは俺の顔面を強打した。半端なくイテェ。これは文句言うっきゃねえと思って顔を上げて、開きにくい目でをにらみつけた。けど、俺の口からは何も出ることはなかった。いや、正確には、出せなかったというべきか。
 目の前のはまるで、自分が殴られた後みたいに傷ついた表情を浮かべていた、からだ。なんでお前が泣きそうになってんだよ。わけわかんねえ。おい、って躊躇いがちに問いかければ、ポロとの瞳から涙が零れた。何で急に泣くんだよ!?と心中穏やかでいられなくなって、内心慌てて見ていれば、目に溜まった涙をコイツは自分の服の袖で乱暴に拭った。

 「…獄寺、さ。…手紙、見た?」
 「手紙?」
 「その反応は、見てないんだね…」
 「…ああ、もしかして紫の?」

 あれ、お前が書いたの?と言えばの表情が更に歪んだ。どうやらドンピシャだったらしい。俺はあて先不明だった昨日のラベンダー色の封筒を思い出しながら解けた謎にすっきりして、の表情が変わったことなんて気に出来なかった。なんだよ、だったら言えよ!と笑いながらいつものノリでの肩をバシバシと叩く。けども目の前のコイツは黙ったままだ。

 「宛名なかったから吃驚するだろ?ちゃんと書けよ」
 「……見てくれた?」
 「…え、あー…いや、見てね。帰ってから見ようかと思ってたんだけど…ああそうそう、今まだ鞄の中に入れっぱ―――」

 がさごそと鞄の中を漁れば奥底の方で見えたラベンダー色。あったあったと取り出せば荷物にもみくちゃにされたんだろう、少しよれていた。に見せればそいつの顔が小さく歪んだ。でも気にすることもなく、用件なんだったんだよ、と俺の口は問うていた。

 「…最低」
 「ああ?いや、まあ悪かったって。けどさ、名前がないんじゃあ」
 「あたし!あたし、言ったよね?皆が皆獄寺みたいなんじゃないって」


 「皆が皆獄寺みたいな人じゃないんだよ。…恋をすると、怖くなったり、臆病になったりするもの、なんだよ。…あたしはわかるけどな、その手紙の女の子達の気持ち」


 そういわれて、思い出すのは昨日のの言葉だった。でもそれは恋をする女に限っていた言葉に過ぎないはずだ。そうまで考えて、片隅の方で思った。でもそれはあまりにも信じられない考えで。だって、まさか、が俺を?

 「…?」
 「ほんと、罪な男だよね。獄寺って」
 「…おい?」
 「……さよなら」

 次の瞬間、向けられた表情は初めての笑顔だった。朝見たときとは違う。でもいつもの笑顔ではない感じの。にこ!っとまるで、無理して笑っているような…そんな、作り笑いのような、笑顔。突然の行動に動けなくて。俺は過ぎていくを黙って見過ごすしか出来なかった。
 ぎゅっと握られたラベンダー色の手紙だけが俺の近くに残っていて。俺は追いかけることも出来ないまま、そのまま立ち尽くしていた。



 どれだけそうしていたのかはわからないけれど、いつの間にか俺は少し離れたところに腰をかけて、その封筒を眺めていた。そして、読んだあと、どうしようもない怒りがわいてきた。…これはに対してじゃなくて、俺に対して、だ。そして同様に喪失感が俺の中を大きく支配していた。

 どうして、俺はを能天気で何も考えてなくて、悩みが無さそうだなんて思っていたんだろう。
 どうして、俺はアイツの気持ちに気づいてやれなかったんだろう。
 どうして、どうして、どうして。

 考えてもキリが無い後悔が、後から後から出てきて反吐が出る。本当に、どうして、俺は!

 「獄寺、大好き!あたしと付き合ってください。今日、放課後体育館裏で待ってます!(へへ、定番だよね)手紙でもう書いちゃったけどちゃんと口でも言いたいから…待ってます。来なかったら獄寺のこと、諦めるから、さ!ではでは、ちゃんからの初めてのラブレターでした!ちゃんと見てよね?」

 失って初めて、気づいた。莫迦だ。ああ、俺はこんなにも、こんなにものことが……好き、だったのに。
 10代目の隣が惜しかったんじゃない、本当はアイツを、俺以外の隣にいさせたくなかっただけだったんだ。
 …今更気づいても、遅いけれど。

 俺の手のひらの中で手紙がぐしゃっと音を立てて潰れるのがわかった。
 ―――目をやれば、アイツの字が歪んで見えた。






 最初で最後の
    Love letter...





あとがき>>初リボーン夢!山本山本!とかいっときながら一番初めに出来たのが獄寺!(笑)いや、山本案外難しいね!(…)しかもこれ、悲恋ですよ…んでもってちょー偽者です。ああ、もう難しい。ごっきゅん難しいよー!(ジタバタ)
 最後まで読んでくださり有難う御座いました!

2006/10/26