「ねえ、教えてよ」
俺はその場に立ち止まったを見つめ、静かに口を開いた。
きっと、この後に待っているのは、最悪な結果だとしても。
もう、引き返せない所に来ているのだから……。
でも、出来れば、受け入れてほしいって、願ってる。
Always...
-The day when always broke-
「……俺さ、ずっと言いたかった事があるんだよね」
「うん、何?」
……のどが乾く。
体中の水分が、熱で蒸発しているみたいで、息苦しい。
そんな状態の中、俺は震える声を極力にはばれないように、言った。
は、その言葉に首を傾げて、俺を見やる。
俺は拳を強く握りしめ、ぎゅっと目を閉じた。
「俺、が好き……っ……なんだ!」
……そしてついに言ってしまった言葉。
は如何思うんだろう、そう思い顔を上げてを見る。
「……毎日言ってるじゃない」
俺の想像とは違い、彼女はケロっとした顔で、俺に言い放った。
俺はその言葉に慌てて否定の言葉を出す。
「そうじゃなくって!!毎日言ってるけど、本気にしてないっしょ!?は」
「本気も何もないんじゃない?」
そうは言うと、困ったような笑いを浮かべて、歩き出す。
俺はそれを止めるように、大声で叫んだ。
「そーじゃなくって!!!だから、俺はが好きなの!!大好きなのっっ!!!」
静かな道。
の様子を見ると、目を丸くして何も言わない。
を見て、俺はまた続けて言った。
「俺、ずっと……の事好きだった」
そう、が如何思っていても良い。
此れは俺の正直な気持ちだから。
ただ、真剣に聞いてほしい。
そういう想いからだった。
「何、言ってるの?」
暫く経って、が口を開いた。
心なしか、声が震えてるような気がする。
俺は「告白」と真剣に答えると、は俺を睨んだ。
………そして、目を細める。
「そう言うのは、軽く言う事じゃないと思うけど……」
「軽く言ってないよ!!」
冷ややかな。……軽蔑に近いの視線は、俺を見続ける。
「私……信じないよ?だって、英二毎日のように言うじゃない。だから、私はそんな言葉信じないよ」
そう言ったは再び歩き出した。
俺はそれを阻止しようとを後ろから抱きしめる。
「本気だよ!!!」
「離して……」
「本気で好きだから……!」
抱きしめる腕に思わず力が入る。
今にも、折れてしまいそうなくらい、の体は華奢で、俺や大石なんかとは全然違っていた。
………でも、俺はその腕を緩めようとはしなかった。
だってきっと、離したらもう二度とは俺に話しかけてくれないと思うから。
「離してよ!!!」
バチンッ
……大きな音が回りに響く。
一瞬俺は何が起きたのか解らなかった。
けれど暫くして左頬にじわじわと痛みが広がってきた。
そこで、ようやく、ああ叩かれたんだなーって、気づく。
でも案外そう思ったときの俺はすげー冷静だったと思う。
そして、の顔を見ると、その頬には一筋の涙が溢れていて。
は、その涙を手で擦ると、無言で走って行ってしまった。
一瞬だけ、当惑したような、そんな表情が垣間見えたような気がしたけど。
そう見えただけで、ただ俺を軽蔑して見てただけかもしれない。
本当に、そんな表情を浮かべたのか俺にはわからない。
解っていた事。
いつかこの時が崩れ落ちてしまうって。
だから、言わないで置きたかったんだ。
君の笑顔を失いたくはなかったから……。
でも、もう終わりだ。
何もかも壊れてしまった。
そうさせたのは……誰でもない、俺だから。
「、ごめん……」
過ぎ行くを見つめて、俺はその場に立ち尽くした。
呟かれたへの謝罪の言葉は、決してには届かなかった。
―Next
あとがき
なんかもう、ここら辺あんまり修正してないです;
管理人:時枝 華南