「大体、なんでそんなひねくれた事したんだか」
「だ、だって仁王があたしとはそんなんじゃないって!」
「…いつの話じゃ、それ」
「一年の、冬の放課後…」
二年越しの片想い
「そんなんじゃない」の真相
「仁王ーお前モテモテじゃん、選び放題じゃん」
「この、女泣かせがー!羨ましいぞー!より取り見取り!」
「はいはい」
「で、次の毒牙にかかるのはどの子よ?とかどうよ、仁王仲良かったべ?」
「はそんなんじゃない」
「かーー!言うねー!あいつ結構かわいいとこあんのに。さすが仁王さま目が肥えてらっしゃる」
「何、勘違いしとるんじゃ」
「へ?」
「俺はが好きじゃ。本気やけ毒牙にかけるつもりは毛頭ありゃせん」
「………」
「じゃけ…手ぇ出したら、どうなるか。わかっとるよな?」
ちなみに、あたしが聞いたのは「とかどうよ」から「目が肥えて」の部分まで、だ。そういうベタなオチだと知った、彼氏彼女初日の放課後。盛大に笑う仁王に、紛らわしい言い方するのが悪いとか、それならなんで告白してくんなかったのかとか言ったら、自分だってなかなか告ってこんかったとつっこまれてしまったので、あたしは言い返すことができなかった。確かに、あいこ、なんだよなぁ。
はあ、ため息をついたら、くつくつ笑っていた仁王があたしの眼前に顔を出して、「ま、ええじゃろ」キスを、した。
「今はこうしてラブラブなんじゃし?」
「………」
「えーっと、は彼氏とどんなことがしたいんじゃったかのう。好きな人と手ぇつないだり、腕組んだり、抱き合ったりー…キスしたりセック」
「うわわわわわわわわ!!!!!」
「おお、フリーズしとったようじゃったが、おかえり」
「あ、あああああたしが言ったのを勝手に脚色しないで!あたし抱き合ったりイチャイチャしたいって言っただけじゃない!」
「イチャイチャ=キスとセ」
「だーーーーーーーーーっ!違う!ちっがーーーーーーーう!!」
「えー…じゃあは俺とキスしたくないん?」
「いやっ、し、したくないわけ、じゃない!け、ど…」
「なら、ええが」
よくない!そう言おうと思ったのに、結局また口をふさがれてしまって。言葉にならなかった。そっと離れた口づけの後、「良いじゃろ?」その声が妙に色っぽくって、一瞬こくりと頷きそうになったけれども、そっと胸に触れた手に、はっと我に返った。
「こ、こ、ここんなところでサカるなーーーーーー!」
「サカ、っ…健全な男子中学生じゃ!失礼な!」
― Fin
あとがき>>どうでもいいSSちょっと下ネタちっくですみません。サカってる仁王、愛してやってくれるとうれしいです(笑)
2009/01/19