夏の一コマ
切原赤也
「暑いっすよ、先輩〜」
「暑いのはわたしだって同じだよ、だから頑張って」
「無理っす、やる気でね〜」
「赤也ってば……頑張ってよ」
「じゃあこの暑さどうにかしてくださいよっ!」
「え…?(無理だし……)」
「先輩早くー」
「で、できないよぅ!」
「(もう、この人は可愛いなぁ)へへっ」
「な、何笑ってるの!赤也!!」
「いや〜、先輩可愛いなって思って(ちゅ)」
「!??」
「じゃあ、帰り喫茶店寄りましょうよ」
不二周助
「周ちゃん、暑い」
「うん、そうだね」
「そうだねって……全然周ちゃん暑そうじゃないじゃない!なんかずるい!!」
「(また急に…)僕は顔に出ないだけで、本当は暑いよ?」
「むぅ!卑怯だ!!暑い暑い暑いよ〜〜!!」
「(何で卑怯?)ほらほら、あんまり暑いって言ってると余計暑く感じちゃうよ?少し黙ったら?」
「むむむっ、子ども扱いして!黙らせられるなら周ちゃんが黙らせてみれば?(へへん!)」
「へえ……言ったね?」
「(あ、あれ…?周ちゃん??……なんか怖い……)」
「じゃ、遠慮なく(ちゅ)」
「!!?」
「(あ、黙った)くすっ」
「(や、やられた……!)」
真田弦一郎
「真田君、暑い……」
「暑いのは、みな同じだ」
「む、むぅ!真面目に聞いてよ、本気で暑いんだよ?!」
「聞いてるから、少し黙れ」
「(冷たい……!)暑い暑い暑い!!」
「……静かにしろ」
「無理!暑いもんは暑いの!!あーーー暑い暑い暑い暑い(エンドレス)」
「………(ブチッ)」
「暑い暑いあつ……あれ?真田君?(何、今の『ブチッ』って音)」
「すぅ……(息を吸う音)」
「(ま、まさか……!!)さ、真田様??」
「たるんどる!!!早く自分の仕事をしろっっっ!!!!!」
「(ひええええ!!)ご、ゴメンなさ〜〜〜〜〜い!!!!!」
跡部景吾
「跡部暑い」
「あぁん?だからなんだよ」
「!!ただ言ってみただけじゃない…(冷たい)」
「お前、いい度胸してるな、アーン?お前より運動してる俺様たちのほうが暑いに決まってんだろ」
「むむっ!聞き捨てならないわね!その台詞!!マネ業も大変なんだからっ!!」
「あぁん?」
「跡部はいいわよね!お坊ちゃんだもん!あとで涼し〜い部屋でのんびりできるんだもんね!(プンッ)」
「なら、お前も俺様ん家くればいいだろうが」
「えっ!いいの!??わーいわーい!!!」
「その代わり、ただで帰れると思うなよ?(ニヤッ)」
「え……?(お金取るの…!?坊ちゃんのくせに……!!!)」
「(ちゅ)」
「!!!!?」
「俺様の美技に酔いな(フッ)」
伊武深司
「深司君、暑い……」
「そんなこと俺に言ったってしょうがないだろ(ボソボソ)」
「暑いよ、深司君……」
「だから、俺に言われたって俺が天気決めてるわけじゃないんだからさ(ボソボソ)」
「うぅ……暑いよーー暑い暑い!!」
「てゆうか、君は少し黙れないのかな……(ボソボソ)」
「だって、暑いんだもん……!」
「……」
「深司君は、暑くないの??」
「暑くないよ」
「本当に?(ひょこっと顔を覗く)」
「!!?」
「あ、真っ赤になった……ほら!やっぱり深司君も暑いんじゃない!」
「そういう意味じゃないんだけど……(ボソボソ)」