アイラブ/ダーリン

その後の彼ら



「あ、!」
「ああ、…その顔は、もしかしなくても不二君と上手くいったんだ?」
「えっ!わかる??」
「わかるわよ。顔に書いてあるもの」
「えへへ!まあ、結局自分から好きって言っちゃったんだけどね!でも良いの!周くんの気持ちすんごい良くわかったから。あたし愛されてるって感じたから!てゆうかなんであそこまで思われてたのに気づかなかったんだろうって自分が馬鹿みたいに思えたよ!駆け引きなんてしなくってもあたし周くんから愛されてたよ!」
「…ああ、そう」

明らかに嬉しそうなを見て、少しだけ不憫に思うのはわたしだけだろうか。
勿論上手くいったのは親友として喜ばしい事間違いないのだけれど。…なんていうか、両手離しで喜べないのは…釈然としないのはきっと。

「そんな事より、今日化学の課題提出日だけど、あんたやってきたの?」
「はわ!う、写さしてください!!」
「しょうがないわね。ハイ。…ジュース一本で勘弁してあげるわ」

そう言って、科学のノートをの前にチラつかせると、うう!とうなり声をあげていただったけれど、化学の先生が厳しいのを知っているため、文句一つ言わず、わたしの手からそれをとった。
それから慌てて席に戻ったを視線で追って…。ため息をつく。

「………盗み聞きなんて、根性悪いと思うけど、不二君」
「あ、バレた?」

ジロリ、と見つめる先には笑顔の不二君が其処には居た。悪びれた風も無いその声に小さくため息をついて。

「本当は、全部知ってたんでしょう?」

呆れた風に言いやれば、不二君は一度きょとん、と顔を呆けさせて(確か、この顔が凄く可愛いとが言ってたのを思い出す)クスリと笑って「何のことかわかんないんだけど?」と一言。
…知ってる。コイツ絶対知ってるよ。確信、した。

「…のヤツ、可哀想。あんなに悩んでたのに」
「でも、そんな素直なは可愛いよ」

………ほんとう、可哀想だ。
目に映るのは不二君の…笑み。それをみて、わたしは今、必死で化学のノートを写してるを見た。
……なんていうか、ほんと、君の幸せを心から願うよ。

知らぬが仏、とはまさにこのことだろうな、とわたしは思った。





― Fin





あとがき>>どうでも良いオマケ。
2009/01/01