バイトから帰宅途中の電車の中。 周りを見渡せばもうこの車両には私と隣の男の子しかいない。 髪の毛がふわふわの、制服を着た少年。 近くにテニスのラケット(大きさ的に)が入ってるらしきケースが置いてあるから、 うん、多分テニス部なんだと思う。 それにしても中学・・いや高校、生?くらいの男の子がなんでこんな時間に電車に乗ってるんだろう? しかもこの制服、立海ときた(有名校じゃん) ・・・・・・そして何気かっこいいんですけど。 お姉さんかっこいい子が隣に座っててドキドキなんですけど(寝ている寝顔が本当に可愛らしいです。かっこいいけど可愛い)(ジロジロ見ちゃえ!) 「ん・・・・・・」 ――――――――――――えっ!? しゃ、車両が揺れたと思ったら少年の頭が私の肩に! こてんと肩に重みがかかって私の心臓は爆発寸前だよ・・! 落ち着け、まず落ち着くのよ、とりあえずまだ自分の降りる駅じゃないもんねこのままで平気だよね、 でもあれ、これってこの子を起こすの強制的に私!?(そう思ったらまた動悸が激しくなってきたよ!) ふと少年の手元を見ると何かが握られてるみたいで(落っこちそう)、 私は気になって心の中で両手を合わせて『ごめんなさい』と言ってからそっと取り出した。 ・・・・・・切符だった(あれ、これ私が降りる駅のひとつ前じゃん。やっぱり私が起こすの決定だー!) (もしかしたら終電で車掌さんに起こしてもらえるかもと思ったのに、 こんなの見つけちゃったら私が起こすしか・・!) うわーとかあーあー・・、 とか思っていたら電車が大きく揺れて、 その拍子に少年が肩から落ちて(うわ危な!)なぜか私の膝に着地した(ひ ざ ま く ら ? ) (え、なんで私がかっこいい少年を膝枕?) 凝視していたらアナウンスがかかって(驚かすなよ!)伝えられた駅名は少年が降りる駅。 あ、起こさなきゃ、と思った時、なぜか(あれもうちょっとこのままでいいのに)とか思ってしまった。 「すいません、あの、降りる駅ですよ?」 そう言っても一向に目覚める気配がなく、すやすやと気持ち良さそうに眠る少年。 思わず頭を撫でてみるとやっぱりふわふわだった。 それからハッとして少し大きな声で「あの!」と言ったら「うおあ!!」と叫んで飛び起きた。 少年は後ろを振り返ったり車両内を見渡したりしている。 そして至近距離にいる私に気付いてまた「あ、」と声をあげた。 私はその挙動不審っぷりに思わず吹き出してしまって、 「降りる駅次みたいですよ」と言いながらさっき取った切符を渡した(忘れてた) 「すいませんあの、俺もしかして・・・・・・」 「あ、別に大丈夫ですから」 「うわ!やっぱり寝ちまったんだ・・・!す、すいません!」 頭を抱えて嘆く彼を見て、やっぱりこれは中学生か?なんて思ったりした。 「いえいえ、私の方こそ起こすの遅くてごめんなさい」 「そんなことないっす!いやマジで命の恩人すよ、 俺この通りテニスやってきた帰りなんすけどつい夢中になって気付いたらこんな時間で、」 「うんうん分かった分かった、とりあえずもう着くから」 丁度その時、到着したことを告げるアナウンスが流れてフシュー、と鳴ってドアが開いた。 ていうか私サラッといつも友達に接してるように言ってしまったのだけど!?(つ、ついノリで・・!) 「俺、切原赤也っていいます!」 「切原、君?(あれ、どこかで聞いたことがあるような、)」 「あの、貴方は・・・・・・」 「あ、って言います」 そう言ってにっこり笑った瞬間閉まります、ってアナウンスが流れて、 切原君が慌てて立ち上がった。 「さんは、」 ここじゃないんですか?という視線を送られて、本当にそういう気はなかったのに一緒に立ち上がってしまった。 そして自然に手をひっぱられて一緒になって駅のホームに出る(な、なんで!?) ドアが閉まり走り出した電車を見送った(あれ、そういえばさっき私名前で呼ばれなかった?とか今更気付く) 「あの、ここでよかったんすか?(もしかして俺、まずいことを!?)」 「うーん、バスで帰るから平気。・・・あの、もう少しお話してかない?」 「いいんすか!?」 彼はキラキラした目でとても嬉しそうに笑って(ドキン、と胸が鳴った)、 ああ寝顔だけじゃなくて笑顔も素敵だなんて羨ましすぎると思った。 君の寝顔に一目惚れ (あの、さん。俺ぶっちゃけていいですか) (ん?なに??) (さんに一目惚れ、したみたい、です。・・・好きです) 遊夜へ! 青春してて恥ずかしい夢を書くよと言ったのに出来たのがこれですか! って感じですいません・・!相互リンクありがとう! これからも末永くよろしくダーリン!!(にこ!)(春幸より!/Paradox) |