愛し君へ捧げるものは僕の純愛










好きな人がいる。すっげーすっげー好きな人がいる。それは同じ部活の先輩だ。中学入学してテニス部に入った俺は初めて先輩の顔を見た瞬間、落ちた。
え、何に落ちたって?そりゃ、ドブでも地獄でも奈落でもねえ!恋っつーやつだよ、うん!先輩の笑顔はそれだけ威力がある。へにゃーって笑って「赤也くん」なんて呼ばれた日には「あーーー!もうこの人ほんと抱きしめてえ!」とか「ほんと年上なのかよ!」とか思っちゃうんだけど、でも部活のときのてきぱきさとか、やっぱり先輩してるなあって思うんだ。

そんな先輩に恋して、早いもんでもう1年以上経つわけだ。そして今の季節は梅雨。つまり6月ってわけ。6月と言えば俺の中では忘れちゃいけない行事がある。

それは、先輩の誕生日だ。

あれは忘れもしねえ。9月25日・・・俺の誕生日。部活に来た俺にサプライズ形式で俺の誕生日を祝ってくれた。「お誕生日おめでとー!赤也くんっ!!」って言いながら俺が欲しい欲しいって言ってたリストバンドをチョイスしてくれた。その後に聞いた先輩の誕生日。

「あたし?ふふ、あたしは6月13日だよー。もう過ぎちゃった」

あはは、過ぎちゃったね〜。と言った先輩の台詞を俺は忘れねえ。俺としたことが好きな人の誕生日を忘れてしまうなんて・・・。ショックでショックでショックで。そんで俺は決意したんだ。来年は盛大に祝ってやるんだって。絶対先輩があっと驚くような祝い方をして「ありがとう、赤也くん」なんて頬染めて言ってもらうんだと心に誓った、秋の空。あの日の空を俺は一生忘れない(大げさ)

そしてその6月13日が今日ってわけだ。空を見れば天気はチョー晴れ。俺の気分も洗濯日和!(何か違う)いっちょ男を見せに行くか!とめちゃめちゃ気合を入れて。部室のドアを勢い良く開けた。

「・・・あ、赤也くん、早かったね」

部室に居たのは、俺の大好きな大好きな大好きな先輩その人。・・・と、いらないことにその他の先輩達。何、してんスか。いつもとは違う騒がしい部室に、俺の不信感が募っていく。ブン太先輩は「お前ビリ!」なんて言いながらオレンジジュース飲んでるし。つーかなんだこの騒ぎ。ドアの前で立ち尽くす俺に、今の騒がしいわけを教えてくれたのは先輩だった。

「あ、の・・・ごめんね、騒がしくして。なんか・・・あたしの誕生日を皆が祝ってくれるって言ってくれて・・・それで、その・・・あのぉ・・・」

苦笑交じりに笑うの顔を見下ろす。くあーーほんと可愛いな、この人!って違う。「せ、先輩の所為じゃないッスよ」と先輩に言うと先輩がへにゃって笑った。だから、その顔が可愛いんだっつの!解ってやってんのか?自覚なし?殺人的なんスけど!!
ゴホンと咳払いをしたら、いつの間にかまた部室内が騒がしくなった。大体、幸村ブチョも真田副ブチョも先輩には甘いんだ。というか先輩の事となると甘くなるのだ。ぜってえこの二人狙ってるに決まってる。じっと他の先輩を見れば、あーあーもう本当に。皆顔ニヤけさせちゃって。ってくらい皆先輩にメロメロなわけ。でも当の本人は気づかない。鈍感なんだ。(そこが可愛いんだけどな!マジで!)ふにゃーとした笑顔で俺の横にちょこんといてくれるだけで嬉しい。・・・のに、突然仁王先輩が先輩を呼ぶから、先輩は呼ばれるがままついて行ってしまった。
・・・なんか、面白くない。
俺はする事がなくて、ただぼーっとその場にいることしか出来なくなってしまった。本当は、俺が先輩に一番に「おめでとう!はいこれ!プレゼントッス!」って渡したかったのにさ。・・・そう思ったら、何かムカムカしてきた。やるせない。と言うか、先輩が俺以外の奴に笑いかけてるっつーのが許せなくて。

「おーーっとごめんなさいよ!」
「ふ、え?あ、赤也くんっ?!」

俺としては我慢したよな、うんうん。てことで、俺は仁王先輩の隣で笑ってる先輩の腕を掴んで、部屋の中を出た。後ろから非難ゴーゴーなのはわかってたけど、こちとら予定があるんでね。可愛い後輩の可愛い我が侭だ。ぐいぐいと引っ張って先輩を見たら、先輩は何が何だかわかってない感じ。(きょとんとした顔も可愛いんだ、本当!)掴んでた腕から力を抜いて、自分の手を下に下げて行って、先輩の掌を見つけると、またそこで手に力を込めた。今度こそ手を繋ぐ形になる。「あ、あああ赤也くん!?」と焦ってる先輩の声が聞こえたけど、無視。ずんずん歩いて行くと、裏庭に出た。ここらで良いかな。って思って俺は脚を止めた。そしたら、ちょっと息を切らしてる先輩が後ろに居て。

「ど、どうしたの?急に居なくなったら皆心配しちゃうよ?」
「良いじゃん、困らせれば」
「駄目だよ・・・とりあえずあたし、マネージャーなのに・・・」

なんかそれって、俺と二人ってのが嫌みたいじゃん。むっとしたから先輩に近づいて、顔を覗き込む。あとちょっと近づいたらちゅー出来るんじゃないかってくらい顔を近づけると、真っ赤になる先輩の顔。

「先輩は俺と二人になるのが嫌なの?」
「えっ、そ、そうじゃない、よっ!だ、だけどね、あ、の・・・えっとその」

わたわたと慌ててるって仕草の先輩を見つめる。あー本当可愛いなー。ていうかもうこれって結構犯罪に近くないッスか?人間に理性ってモンがなかったら俺絶対今ヤバイって!

「俺ね、先輩に、渡したいもんがあったんスよ」
「ほえ?あ、あたしに?」
「そ」

ドギマギしながら先輩に言ったら、先輩がきょとんと首を傾げた。あんだけ盛大に祝われてたくせに、渡したいものって言葉で解らないものなんだろうかと考えるけど、鈍い先輩の事だから気づかないかもなーなんて思う。それからまだ悩んでる先輩にフって笑って俺は持ったままの鞄の中から、ずっと渡そうって決めてたプレゼントを取り出した。先輩に似合いそうだなって思って買ったアクセサリー。

「誕生日プレゼント」
「え、あ・・・」

「はい」って渡したら先輩がようやくわかったようだった。それから頬をポッと染めた。それから笑うんだ。しかも上目遣いで。にこって笑って「ありがとう」って。あーもう、抑えらんないって!

先輩がプレゼントを受け取った瞬間、俺はぎゅっと先輩を抱きすくめた。「ひゃあ」なんて可愛い声があがって、俺の腕の中で小さく身じろぐ先輩が愛しくて愛しくてたまらない。じたばた暴れながら「赤也、くん?」ってちょっと困った様子の声が俺の耳に届いた。

「・・・すげー、好きッス。・・・のこと」

初めて、呼び捨てで呼んだ。もしかしたら拒絶されちまうかもしんねえと内心ビクビクの俺。だけど、言った後の先輩の行動は―――"静≠セった。さっきまで俺の腕の中から逃れようと必死になってたくせに、しゅん、と止まってしまったそれ。

恐る恐る顔を見下ろすと。

「・・・ほ、んと?」

これ以上無いくらいに真っ赤にさせた先輩の顔があって。本当って言う言葉にコックンと頷くと、先輩の目に涙が浮かんだ。それから「嬉しい」って。え、嬉しいって何語?俺英語わかんないんスけど・・・ってバリバリの日本語だっつーの!「え、ええ!?」って驚けば、先輩がにこって笑うから。・・・夢じゃないんだと思う。

「あたしも、赤也くんのこと。ずっと好きだったの」

それはまるで、天使のような微笑。6月13日。俺の恋心、ようやく実りました!










yueから遊夜へメッセージ★
誕生日おめでとう!凄くおめでとう!遅くなったけど(と言うか頼まれてないけど)誕プレってことで、赤也ドリームを贈呈したいと思います!遊夜と出会ってもうそろそろ3年・・・。ネット初心者だったあたしに優しくしてくれたこと、今でも覚えてるよ!今日と言う日が遊夜にとって素敵な1日でありますように!これからもこんなあたしを宜しくね!遊夜大好き!ずっとずっと大好き!いつまでもそんな可愛くて優しい遊夜で居てください!
2007/06/14

遊夜からyueちんへメッセージ☆
誕生日ありがとう(?)すっごくありがとう!サプライズな誕プレにきゅんです!煮るなり焼くなりと言う言葉の通り、upさせてもらっちゃいました★もうすぐ3年だねえ…yueちんと逢った日の事、あたしもちゃあんと覚えてるよ★むしろ忘れられないよ!これからも末永く仲良くしてくださいな★あたしもこおんな優しくて面白いyueちんが大好き!ずっとずっとずーーーーぅっと大好きvv
2007/06/17