「誕生日おめでとう」
そう言われて、嬉しいはずなのに私の気持ちはずうんと沈んでしまった。
とりあえず「有難う」と返したけど、上手く笑顔が作れてなかったみたいで、「さん?」と心配げな声が振ってきて、はっとした。
(だって、そんな顔させたいわけじゃなかったのに!あたしのばかばかばか!)
あ、ごめん、本当嬉しいんだよ!と今更ながらに笑顔を作ったけどこんなんじゃ誤魔化せるわけない。
本当に今更だ。
周助を見れば、やっぱり気づいてる。
「ごめん…」
ポツ・と呟いて、私はソファの上で小さくなる。
そしたら周助があたしの肩を優しく抱いて「どうしたの?」って。
抱いてくれる手の平が嬉しくてあたしはコテン、と周助の肩に頭を預けた。
「ん、誕生日は本当嬉しいんだ」
それは嘘じゃない。
だけど、問題は、年齢で。
「また、周助との年齢が開いちゃったな…って、思って」
あたしの誕生日は6月で、彼の誕生日は2月。
それでなくても周助は年下で、まだ学生で。
あたしは社会人で働いて4年目で。
だから、今年の2月に彼の誕生日が来たときは凄く嬉しかったのだ。
同い年になることは絶対無いけど、でも1個でも年齢が近づいて、嬉しかったんだ。
なのにまた、遠くなってしまった。
「なんであたし、周助と同い年に生まれなかったのかな…」
言っても仕方が無いこと。
でも、どうしても思ってしまう。
多分、これがお互い社会人、て言うのならあんまり気にならなくなるかもしれない。
だけど、まだ周助は大学生で。まだ遠い。
「…同い年に、生まれたかったなって…思っちゃったの」
こんなこと言ったって、周助を困らせるってわかってた。
だけど、どうしても彼に「おめでとう」って言われると、思ってしまったんだ。
「…!?」
そうしたら、ぎゅって強く肩を抱かれて、周助の右手もあたしの肩に触れて、ぎゅうって抱きしめられた。
「僕だって、同い年に生まれたかったよ?」
言われて、周助も同じ気持ちで居てくれてることに気づく。
「だけどね」
それから続く、声。
「でも、言っても仕方の無い事だし…でも僕はこれでよかったと思ってるよ。だって、さんが先に生まれてくれたから、姉さんと知り合ってくれて、僕はさんの事を知って、好きになったんだから」
「…周助」
「だから、今日は楽しく過ごそう?僕は、純粋にさん自身が好きだから」
「っ」
「折角出会えた事を、後悔させないで、ね?」
そう言って、周助はあたしの左手を取った。
「…っ、しゅ、すけ…これ!」
「ふふ、予約ってことで」
周助の笑った顔が今まで見て来た周助の笑顔の中で一番優しかったと思う。
左手に光指輪。
それって、それって…
「誤解、しちゃうよ?」
「誤解じゃないかもよ?」
「う、自惚れちゃうんだからねっ?」
「さんの好きなように」
涙が、出そうだ。
「まだ、今は生活力が無いし、このまま君を…なんて出来ないけど、でも待ってて、くれる?」
そんなの、そんなの…あたしの言葉は決まってる。
「大好き!ず、ずっと待ってる!有難うっ」
ついにあたしの目からは涙が溢れ出た。
「産まれてきてくれて有難う。僕の未来の花嫁さん」
あたしの指で、小さなパールがきらりと光輝いた。
― END
遊夜ちゃんへ!
大好きな遊夜ちゃん、誕生日おめでとう!何か今年こそはお祝いしたくて思わず贈りつけちゃってごめんね!遊夜ちゃんのに比べるとうっわなんこれ!って感じだけど、どうしてもお祝いしたかったから…。煮くなり焼くなり好きにしてください!遊夜ちゃん大好き!本当に本当に誕生日おめでとう!これからも末永く仲良くしてやってね!一ファンとして、これからも応援してるよ!!
さりぃより!2008・6・13
さりぃちゃんへ!
わわわん!有難う!メール見てすっごいビックリしたけどすっごい嬉しかったよ…!あ、ああああ有難う!しかも不二!何が嬉しいって不二が嬉しい!もう何か…有難う!(感涙)感無量だよ…!早速公開させてもらっちゃいます!周助からだったら、花嫁になるよ(笑)てゆうか全然なんこれ!じゃないから!違う意味でなんこれ!(興奮)だけど(笑)幸せすぎて溶けそうです(汚いから)あたしの方こそこれからもずっとずっと仲良しさんで居てくださいvvさりぃちゃんだぁぁぁぁいすきっ♪
遊夜より!2008/06/18